【みちくさ公演】『代わりの男のその代わり』ダブルキャスト対談 vol.3(倉田大輔とワタナベケイスケ)

新作公演『代わりの男のその代わり』
ダブルキャストで同じ役を演じる倉田大輔、ワタナベケイスケ

アマヤドリのことやお互いのことを、
ざっくばらんに語ってもらいました。

 

※倉田大輔(以下、倉田)とワタナベケイスケ(以下、ケイスケ)

★★ダブルキャストという挑戦

 

ケイスケ 今回、初めてじゃないですか? アマヤドリ的に全く同じ脚本でキャストが違うっていうのは。
 
倉田 確かに、そうだね。
 
ケイスケ 僕としては、俳優の個性がめちゃめちゃ出るなって気がしてるんですよ。そもそも僕は、同じ集団の中で一緒にいる時間が長くなればなるほど、良くも悪くも役作りの方向性が一緒になる気がするんですよ。なんていうか、演劇に対して価値観が似てくるというか。もちろん個々人で違うところはあるという前提ですけど、
 
倉田 うん。全く別の団体の人よりもお互い似てくる部分がある気はするね。
 
ケイスケ ですよね? だからむしろ、大まかには似てるんだけどちょっとした違い、っていうのが僕と倉田さんの決定的な個性なんじゃないかと思うんです。それは多分、りことまやもそうだし、飛鳥とカズもそうだと思うんですけど、そこら辺を見比べた時に俳優としての個性が強く出るんじゃないかって気がするんですよね。
 
倉田 広田さんって、劇団内でキャストオーディションをやったりもするけど、新作を書く場合って、ある程度「この役をこの人にやらせたい」みたいな当て書きがあると思うんですよ。それが今回はダブルキャストだから、どんな感じで書き進めているのか…。
 
ケイスケ そういうのでいうと、すごい身勝手な考えになるんですけど、再再演された『銀髪』(2017年1月上演)では僕がやった役は再演の時(2007年1月上映)は、倉田さんがやってたわけじゃないですか? 
 
倉田 ああ、そうだったね、確かに。石田イッセー尾形(役名)
 
ケイスケ その時に「過去にやってた人の方が良かったな」より「あっ、こんな感じで違うんだ!」って思って貰いたいですよね。
 
倉田 お客さん的には、同時期に観る方がそういう捉え方をしやすいかもね。どうしても過去の作品だと、思い出補正的なものが働くだろうし。観る人自身の状態や状況でも色々変わってくるんだろうし。今回はだから同タイムでの「差」を楽しんで観られるかなっていう気はしますね。
 
ケイスケ そういう意味で、僕らとしても公演の最中は、出来る限りお互いのチームのお芝居は観たくないって思ってるんですよね。
 
倉田  俺はまったく観るつもりはないよ。
 
ケイスケ 僕としても、楽しみは最後まで取っときたい! みたいな。
 
倉田  広田さんが一人で演出してどれくらい違うものが出来上がっていくのかが、正直結構楽しみ。別にケイスケがどうとか相手役がどうとかっていうよりは、作品としてどう違うのかっていうのが楽しみという感じかな。
 
ケイスケ 大筋の解釈としては一緒なんだけど、ポイントポイントの解釈が違ったりとか。
 
倉田 ケイスケの表情が俺と真逆とかね。
 
ケイスケ そうですね(笑) 作品としてはそういった楽しみ方が、やる方にも観る方にもあると思ってて。
 
倉田 はいはい。
 
ケイスケ あと、本当にどちらのチームも単純に楽しめる座組だと思うんですよね。みんな個性が強いし、しっかり実力もある人たちだから。
 
倉田 っていうか、飛鳥とカズって同い年ぐらいだよね? まあでも、残りの2人に関しては僕たちの方がアダルトチームですからね。
 
ケイスケ ああ、そうですね。
 
倉田 ちょっとした年齢の差もあるし、当たり前だけどそもそも演じ手が違うんだからね。そういった味わいの差を楽しんで貰えたら、って思います。

★★ふたりの出逢いから

 
ケイスケ 僕が倉田さんに初めて会ったのは『ロクな死にかた』(2011年2月上演)初演の稽古場じゃないですか?
 
倉田 ああ、あの時だったっけ?
 
ケイスケ その前から過去の公演の映像とかを見てて、僕の中では倉田さんの印象はあんまり変わらなくて。常に演技にパワーがある方っていう(笑)
 
倉田 おいおい、すでにちょっとその半笑いが、ちょっと馬鹿にしてるんだよ!(笑)
 
ケイスケ してない・してないです!(笑) 実際、舞台上で会う倉田さんは、根の優しさとか丁寧さみたいなのを、一番感じる人かもしれないです。
 
倉田 え、急にどういう事?(笑)
 
ケイスケ ちゃんとこちらを見てくれてると言うか、相手の状態とかその場の状況を誰よりもすごく見てるって印象がありますね。
 
倉田 ああ…。まあ、自分では何とも言えないですけど(笑)
 
ケイスケ これ、よく話すんですが、倉田さん『非常の階段』の初演(2014年9月上演)と再演(2017年5、6月上演)の両方に出られたじゃないですか。僕もですけど。
 
倉田 やりましたね、ナイトくん(『非常の階段』でワタナベが演じた登場人物・大庭ナイトのこと)。
 
ケイスケ そうそう! 最後クライマックスのところで、僕が舞台上にずっといて、色んな役の人が1人ずつ入って来るみたいなシーンがあったじゃないですか?
 
倉田 ありましたね。あの、千本ノックみたいな。
 
ケイスケ そうです。あれ、かなりテクニカル面でも難易度が高いというか、舞台上の状況や状態がステージ毎にかなり変化するようなシーンだったから、当然、今日ちょっとうまくいかなかったなとかのヒューマンエラーも起きるシーンだったんですけど、最後に声をかけるのが倉田さんだったんですよ。その後で僕のセリフが少しあって、シーンが終わるみたいな。
 
倉田 ああ、「お前のことだろ!」みたいな台詞ですよね。思い出しました。
 
ケイスケ そうです・そうです! そこまでのお芝居がベストじゃない日もやっぱりあったんですけど、でも、最後のシーンで倉田さんがその日の調整をしてくれるんですよね。
 
倉田 ケイスケ、それはね、多分ちょっと買いかぶりというか……。
 
ケイスケ そうですか?
 
倉田 あれはね。単純に最後は大きい声を出せばいいからブレないんですよ(笑)
 
ケイスケ そこは「まあ、一応合わせといたよ」みたいに言っとけばいいんですよ!
 
倉田 「まあ、一応合わせといたよ」(笑)
 
ケイスケ でも実際、最後倉田さんが何とかして押し出してくれるからこっちは身を任せて、何もしないでいいっていう感覚でいれたんですよね。そういう意味では、『野がも』(2018年9月上演)の時もそうだったんですけど、同じシーンをやってるとすごく安心感はありますよね。
 
倉田 ケイスケは劇団の中でも歴が長いし、単純にプライベートでも一番付き合いがあるからね。良くも悪くも、互いに言いたい事を言い合える仲と言うか。
 
ケイスケ どうですか? 倉田さん的にこの十何年かで、僕の変化とか何かありますか?
 
倉田 そりゃ無かったら困るだろ(笑) ちなみに、俺と初めて共演した『ロクな死にかた』の時って、ケイスケは芝居を始めてどれくらいだったの?
 
ケイスケ 俺は、大学卒業した直後だったんで。映画学科にいて、演劇は多分三、四本目ぐらいでしたかね。真剣にやってたんでしょうけど、全然演劇の事はわかってなかったです。
 
倉田 あの時すでに二三、四歳って事?
 
ケイスケ そのぐらいだと思います。もうちょい若かったか……。
 
倉田 あーそんなもんか。俺に近づいてきたあのニヤけ顔は確かにそんぐらいののニヤけ顔だったわ、「倉田さぁん」とか言って(笑)
 
ケイスケ いや、どういうことですかそれは!(笑)
 
倉田 ごめんごめん。まあでも、俺、何かの公演の本番中の時かな? 「ケイスケには人間的な欠陥が間違いなくあるから云々……」て広田さんに言った記憶あるもん(笑) あそこからまさか、こんなにアマヤドリに居続けて、色々引っ張るようになって、演目も色々やったりするようになるとはね……。あの当時は思ってもいなかったよ!
 
ケイスケ 旗揚げメンバーの(中村)早香さんからは、入団当初「こんなに集中力の無い子がいるとは思わなかった」って言われたくらいなんでねぇ…。
 
倉田 早香さんにそれ言われるってよっぽどだよ(笑) だからまあ、あの頃から考えると、大人になったなっていう月並みな感想ですかね。
 
ケイスケ その後どうなんですか? 僕の人間性の欠陥みたいなのは補完されたんですかね?
 
倉田 一層強まってますよね。
 
ケイスケ いや! なんでよ!(笑)
 
倉田 「あっ、もう救えないんだな…」っていう。僕程度では救えない人間だったんだなっていうね。いや、いい意味でね、これは!
 
ケイスケ ええ……。それはやっぱり演技にも出てるもんなんですか?
  
倉田 やっぱなんだかんだ出るんじゃないですか? その役自体が抱えてる葛藤というか、目指す目標みたいなものは違うわけですけど、でも、それを演じるってなった時に役者さんによってやっぱり違いますからね。出てくるニュアンスも。だからケイスケは、やっぱり…(笑) 常に人間的に何か大きな…欠陥がある人物っていうのが出来上がってるんじゃないですかね?
 
ケイスケ おいおい! それじゃまるで倉田さんに穴がないみたいな言い方じゃないですか。
 
倉田 えっと、僕は僕でね。またちょっと別種のデカい穴が空いてるんでしょうけどね……。

★★「被害者」であり「加害者」でもある、という状況について。


ケイスケ 今回の作品に出てくる「被害者であり加害者である」っていう状況は、結構ヘビーですよね。
 
倉田 うん。だけど、割と多くの人が、そういう思いをした事があるんじゃないかな? って思ってる。というか、そう思っていて欲しい。俺ね、若かりし頃に「人生謎だらけ」「世の中謎だらけ!」ってすごい思ってた時があって。もう人生のテーマ的な。
 
ケイスケ ほうほう?
 
倉田 あらゆるものは常に表裏一体だって思ってたんですよ。今となっては恥ずかしくもありますけど、まぁ、よく言う言葉であれば「光と闇」とか「表と裏」とか。違う言い方だと「ピンチはチャンス」とかさ。そういう色んな相反するもののことわざや慣用句が色々あるじゃないですか?
 
ケイスケ はいはい、ありますね。
 
倉田 「善と悪」にしても善のものが別の側面からは悪になるしその逆も然りだし、みたいな。だから今回のテーマである「被害者であり加害者である」みたいな事は俺は別に、まぁそういうもんでしょ、ていう感覚がすごいある。
 
ケイスケ あー、なるほど。
 
倉田 また、ね。演じるとなるときっと色々考えるところはあるんでしょうけど、やっぱり「そういうもんでしょ」がなきゃヘンとさえ思っちゃう。
 
ケイスケ 「常に加害者である」とか、「常に被害者である」って状況の方が、世界を見た時に「そんなわけないじゃん?」ってなっちゃいますもんね。
 
倉田 そうなんだよホント。
 
ケイスケ 僕はこの質問が来た時に、自分の近しい人がそういう状況になった場合と、自分自身がなった場合で全然違う印象だなって思ったんですよ。例えば、僕の友達がそういう状況になった時には、割とすぐ課題の分離をするように促すと思うんですよね。「被害受けたことに関しては悲しんでいいし怒っていい。別のところで加害行為をしてたとしても、それとこれとは別で考えて、謝ればいいんじゃない?」みたいな。自分が受けた被害の実体って、低く見積もっちゃう気がするんですよね。そうなるとやっぱり人間辛いから。擁護すると思う。
 
倉田 え、それは他者だったらそういう事を言ってあげたりする事が出来るけど、自分だと違うって事?
 
ケイスケ やっぱり自分事だと意外と割り切れないと思うんですよ。
 
倉田 うーん、その「割り切れない」っていうのは、もうちょっと具体的にどっちの方が割り切れなくなるの?
 
ケイスケ 自分の加害です。要は、自分が加害者だったりとか、もしくは、ある種「恵まれてる」という立場にあると感じてる場合、全く別のことで被害者的な立場に立った時でも「まぁ俺だって(加害を)やってるし」とか「俺は恵まれてるし」とか、そういうところで結構自分が受けた被害を低く見積もっちゃう気はするんですよね。だからこそ、誰かから相談を受けた時には「それは全く別の話だよ」というか、「謝らなければいけないところと苦しんでいいところっていうのは全然別じゃない?」みたいに思ったりするんでしょうね…。どうですか、倉田さんだったら自分事でも割り切れます?
 
倉田 いや、確かに…。やっぱり、ケイスケにせよ僕にせよ、自分のことをひとまずは加害をする側の人間じゃないと今、考えて話しているわけじゃないですか?
 
ケイスケ ああ、そうかもしれませんね。
 
倉田 だからこそ、そっち側に立たされた時の事が色々想定を超えちゃうだろうなっていう危機感はありますね。でも、世の中的にも時代が大きく変わっている最中だから、昔より加害側に回りうる可能性が増えちゃってるんじゃないかという気もする。表面化しやすくなったって言う事なのかもしれないけど、やっぱりね。
 
ケイスケ いや、本当にそうですね。そういうのを日々感じているんで、今回の作品にも思うところはいっぱいあるんですよね……。

★★ふたりの演じる役について


倉田 俺らが演じる役は現時点ではどっちかっていうと、加害性の方が少し小さいと思うんですよ。もちろん大きさの問題じゃないけど。
 
ケイスケ (役柄的に加害者の)代理ですからね。
 
倉田 どちらかというと被害者側としての側面がちょっと大きめになる感じがしてて。エチュード(即興)をやる上でも広田さんからのオーダーとして、与えられた設定を超リアルに突き詰めてしまうと(劇全体が)重くなり過ぎちゃう可能性があるから、そうならない方向で演じてるのが見たい、ていうオーダーが来たじゃないですか。
 
ケイスケ 来ましたね。
 
倉田 それで言うと、さっき話した「加害性と被害性」の大きさの問題じゃないけどさ、俺の相手役がまやさんだったんだよね。で、あの瞬間は、俺の役の方がちょっと強く出れたというか。
 
ケイスケ そうなんですか?
 
倉田 被害性の方が大きいと感じてるからこそ、重くなりすぎないで、のオーダーが出されたときに、いつの間にか強く出てたというか。青盤が先に別日でエチュードでやったじゃん? その時の撮ってた映像を俺、ちょっとだけ見たの。
 
ケイスケ はいはいはいはい。
 
倉田 全部は見てないから、本当に一部分だけを見た感想だけど。多分二人ともフラットな感じでやってるターンだったの。軽めのタッチっていう感じの。かつ、お互いちょうど同じくらいの分量で喋ってる感じでさ。それを受けて、後日の稽古で同じくエチュードをする前に、まやと飛鳥と、始まる前に一応三人でちょっと話し合って。
 
ケイスケ はいはい。
 
倉田 最初に与えられたテーマがしっかり分かる感じというか、もっと重々しい感じでやってみたいって、二人に伝えて。だから試しに広田さんから与えられてる設定プラスもうちょっと具体的なエピソードも付け加えたりもして、且つまやには「俺の役に対して責める意思を明確に持ってやってみてくんない?」って先にお願いしてからやってみたのよ。
 
ケイスケ ほー!
 
倉田 そしたら、まやは俺にもうビッシビッシと厳しい言葉を当ててきて(笑) 結果、俺は防戦一方だったんだけど。
 
ケイスケ (笑)
 
倉田 ほぼ何も言い返せません、みたいな。本当8:2ぐらいでまやが喋ってる感じで最初やったのよ。絶望的に空気は重いですみたいな。
 
ケイスケ うんうん。
 
倉田 そしてその後のオーダーとして、広田さんがそうじゃない方向で行きたいって話があってテイク2をやったんだよ。前置きが長くなったけど、最初にやったエチュードの時点ではまやにすげえ攻撃をして貰ったのね。設定としてはまやが被害者で俺が加害者なのに、この瞬間だけ見ると、圧倒的にまやが加害者で俺が被害者なわけよ。
 
ケイスケ はいはいはい。その場面を切り取ればね。
 
倉田 そう。一発目のエチュードだけをシーンとして切り取ればそう見えるわけ。でも広田さんの意見で、そうじゃないパターンでやってみようってなった時に、お互いがお互いに歩み寄るっていうベースを持ってやってみたんだけど、お互いがそれなりに人間的に好意を持ってる状況だと、別に俺も責めてるわけでもないのにちょっと加害性を孕んでいるのかこれは? みたいなものを感じたと言うか。さっきまで散々加害者側に見えてたはずのまやの方がちょっと被害者的に映ったような気もするな〜みたいな。なんか、伝わりますかねこれ(笑)
 
ケイスケ かろうじて……。なんか僕は逆に最初の段階で、割とこちら側が加害しちゃってたみたいなスタンスで。何か「申し訳ありません」みたいなスタンスが結構強かったんですよね、
 
倉田 うんうん。
 
ケイスケ 何か「自分に被害性が加わったとしても、こっちとしてはそんな強く出れません」みたいな状況って、今話聞いてて面白いな〜と思いました。俳優自身が演じる上で、どうこの状況に対してバランスを取るか? っていうのがかなり肝というか、この舞台の面白味になってくるんじゃないかなっていう気はしますね。
 
倉田 そうだね。でも、今喋ってて思うけど、やっぱりこの「加害性」「被害性」みたいなものって普段は特に考えたりしないわけじゃない? だけど、こうしてテーマとして与えられてしかもそれに関する事を演じる場合、いちいち被害性加害性みたいな事を意識し始めると、すごく難しいテーマというかこれも表裏一体のものなんだなっていうのは、あらためて感じますね。
 
ケイスケ ああ、そうですか?
 
倉田 瞬間瞬間でコロコロ変わるし、その加害性は被害性から来てるんだな、みたいなのがね。自分が言葉を発するターンでさえも感じるし。
 
ケイスケ 確かにグルグルしてきますね。
 
倉田 そうなんだよ。って、あれ? これなんだっけ、テーマ? 喋ってるうちにそれを忘れちゃったよ(笑)
 
ケイスケ いやっ、でもなんか大体いいんじゃないですか! こっから文字起こしの時にいい言葉を抜粋して頂いて! 
 
倉田 前回よりは、ちょっとだけマシなんじゃないかな?(撮り直しで二回目の座談会)
 

 

★★意気込み

 
ケイスケ 最後に意気込み! をどうぞお願いします。
 
倉田 あぁ、それは、い、いいや。
 
ケイスケ いや、いいやとかじゃねえから!
 
倉田 (笑)そんじゃ、ケイスケくんからどうぞ。
 
ケイスケ えーと、冒頭にも話しましたけど、劇団としては初めて同じ戯曲で違う人たちが演じる公演なので、すごい身勝手な願望にはなっちゃいますけど、二作品観て貰って解釈の違いだったりとかちょこっとずつ出てくると思うので劇場で楽しんでいただければ嬉しいなと思います。中々重いテーマなので自分自身もその戯曲の言葉とどうバランスを取るのかっていうのはすごく疑問になってくると思うので。三人芝居っていう一人一人の比重の重い作品にはどうしたってなるので心してかかりたいと思います! 劇場でお待ちしております。
 
倉田 ありがとうございました。じゃあ、お疲れ様した〜。
 
ケイスケ いや、あんたの番や!
 
倉田 はっはっは(笑) いや、むずいなぁ。いやでも、なんか僕としては。
 
ケイスケ はい。
 
倉田 僕、そもそもアマヤドリに出るの『崩れる』(2021年11月上演)以来なのと、その前だと『天国への登り方』の初演(2019年1月上演)になるんです。だから、広田さんの新作をやるのが久しぶりなんですよ。
 
ケイスケ ああ、そうなんですね!?

倉田 それが単純にね、ちょっと嬉しいというか。広田新作をね、何かやりてえなって思う時期もあったけど、まあ中々出れずにいたもんで。そういう意味でシンプルにちょっと楽しみですっていう感じですかね。空洞で三人芝居なので、かなり小さな会場でのお芝居なんですけども、それも楽しんでやっていけたらいいなと思ってますんで、是非観に来ていただけたら! 嬉しいです! あの、本当に観に来て欲しい、って思いは、本当にすごく持ってるんで。普段はやらない対談でうまく熱意が出てくれたらなって願ってます。

アマヤドリ みちくさ公演

『代わりの男のその代わり』

作・演出 広田淳一

2023年9月28日~10月6日@スタジオ空洞

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