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『崩れる』出演者 – 齋藤拓海

 

千葉県出身、1997年生まれ。

大学在学中から芝居を始め、フリーで活動している。
鴻陵座という同世代の人達とよくお芝居をしています。

 

 

Interview

  ───俳優紹介インタヴューということで、まずは齋藤さんの演劇歴から伺いたいと思います。齋藤さんは、演劇をやられてもう三年ぐらいになるのでしょうか

 

齋藤 そうですね、今三年目、四年目ぐらいですね。

  ───齋藤さんが演劇をはじめたきっかけは何だったのでしょう

 

齋藤 自分はべつに芸術系の学校とか通っていなかったんですけど、高校の同級生が劇団を立ち上げるということがあって、そこでの公演に誘われた、誘ってくれたというのが最初です。

  ───それまでは演劇とは無縁だったのですか?

 

齋藤 興味はあったんですけど、全然自分がやるとは思っていなかったです。でも、その同級生から「俳優を探している」「よかったら出ますか」と言われて、「やってみます」と答えて。やってみようかな、と。

  ───その同級生の方って、以前アマヤドリにも出演されたことのある山脇辰哉さんですよね。山脇さんにはどういう意図があったのでしょう?

 

齋藤 高校の文化祭で、三年生は全員演劇をやったんですけど、たぶん、そのとき役者をやっていた人が誘われたんだと思います。僕も一応役者で出ていたので、たまたま僕の名前も挙がったんだろうと。

  ───きっかけはそうだったとしても、その後ずっと演劇をつづけたくなるような、何かしらの手応えが初めてのときあったのでしょうか

 

齋藤 そうですね。一番は、楽しいってことでした。高校時代部活とかもやっていたんですけど、それよりも楽しかった。こんな楽しいことあるんだ、みたいな。

  ───(笑) 俳優にのめり込む方って、やはり何かを演じることに面白さを見出していく方が多いと思うのですが、それよりもっと手前のことなのでしょうか、楽しさというのは

 

齋藤 自分は人とのコミュニケーションが苦手なんですけど、演劇では、台本に書いてあること、自分の本心ではない言葉を使って人とコミュニケーションできるというのが、すごく新鮮でした。それが嘘に見えてはいけないから、本当は、実際そう思っているように台詞をしゃべるってことを、しなきゃいけないのかな、とも思いますが……。でも一番最初に感じたのは、自分では考えたこともないような思考を言葉にして、しゃべる、それで他の俳優さんたちとやりとりをするってことが、今までの人生経験にはなかったことで、楽しいなということでした。演劇のそんなところに惹かれているのだと思います。

  ───それから三、四年ほど演劇をやられて、さらに演劇について考え・見方が変わったことなどはあったでしょうか。アマヤドリに出演されるということは、わりとオーソドックスなリアリズム演技が求められることになると思いますが

 

齋藤 今回初めて出演させていただくんですけど、たしかに、今まで自分がかかわってきた舞台とは、方向の違いは感じています。

  ───苦労されているのでしょうか

 

齋藤 自分のお芝居のサイズ感を合わせるのに、まだ時間が必要だなと思っています。自分のなかには、あんまり、無理に役作りをしようという意識がなくて。演劇をはじめた当初は自分ではないことをやるのが新鮮で楽しかったんですけど、基本は、自分が自分でいることが大切だなと思っていて。今まで出演してきた舞台でも、自分からあまりにもかけ離れた人物というのはやったことがなかった。だから、自分では絶対に言わないような台詞が台本にあった場合、その役の人間性、社会性というものと、自分の持っている価値観との差を埋めていく、そういう作業が必要なんだろうと思いますし、今回はそういうすり合わせに、時間が掛かるなと思っています。

  ───齋藤さんがアマヤドリにかかわろうとしたきっかけは何だったのでしょう。アマヤドリのWSオーディションに参加されたと思いますが、そもそも、参加しようとしたきっかけは。やはり山脇さんの出演された『やがて二人は部屋を出る』ですか

 

齋藤 ええ。『やがて二人は部屋を出る』も観てました。自分は今まであまりちゃんとした劇場で芝居をするという経験がなくて、客席とアクトスペースの境がそんなにはっきりしていない空間で演劇をすることが多かったんですけど、『やがて二人は部屋を出る』も、客席との距離感が近くて、いいな、と思って。そこから感じられるリアルな生々しさに惹かれるところがあって。それで当日パンフにWSオーディションの知らせも入っていたので、受けようかな、と。

 

───なるほど。こうしてお話していても、齋藤さんは、不思議な雰囲気のある方だなと感じます。今回のアマヤドリの舞台でどんな齋藤さんが観られるのか、楽しみにしたいと思います

 

アマヤドリ 20周年記念公演 第一弾

『崩れる』

 作・演出 広田淳一

2021年 11月4日(木)~8日(月)
@シアター風姿花伝(東京公演)
2021年 11月13日(土)

@パティオ池鯉鮒・知立市文化会館│花しょうぶホール(愛知公演)

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